2009年12月14日

小沢一郎へのメディアテロ(6−2)

小沢一郎へのメディアテロ(6−2)



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Author: Mone5706 Keywords: 米 日米首脳会談の実施に難色 Added: December 8, 2009


小沢一郎へのメディアテロ(6−2)



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■ 目次

◆ 2大政党時代は政界再編で実現しよう
◆ 民主党への、マニフェスト破り進言の狙い
(以上は前回掲載)

◆ メディアの変革(今回)
1 鳩山首相への退陣の勧め
2 小泉・竹中構造改革路線との決別の嘘


1 鳩山首相への退陣の勧め

12月4日、参議院で「郵政民営化見直し法案」は可決され、株売却は凍結され、かんぽの宿などの売却も凍結された。これで小泉純一郎・竹中平蔵が目指した売国的な「郵政米営化」に幕が引かれた。
自民党は法案への賛成者(造反者)が出るのを恐れて衆議院に引き続き参議院も欠席し、逃亡した。
これが民営化に名を借りた売国劇の結末である。民意である。4年前に、メディア・スクラムを組み、小泉劇場を煽り、国民を誤った方向に導いた大手メディアは猛省しなければならない。
民主党も学ばなければならないことがひとつある。それは我が国のメディアを利用して政治をやると、それが国民にもたらした不幸のために必ず手ひどいしっぺ返しを食らうということだ。我が国のメディアが操作し、作っていくデータほど民意とかけ離れ、国民に不幸をもたらし、政治を退廃させていくものはないのである。このことを、民主党はしっかりと学ばなければならない。

政権交代は実現した。
その後、鳩山内閣の閣僚の一部は、新たな主人に仕え始めた、そしてけっして自分の頭では考えない日本の大手メディアを利用しながら、それなりの仕事を始めたように見える。

わたしたちは少なくとも次の参議院選挙前までは、是々非々で厳しく鳩山内閣を見守る必要があるように思われる。せっかくの政権交代である。民主党には、もっと本気で、かつ真面目に頑張ってもらわないと困る。
しかし、参議院選挙前の、もっとも良いタイミングをとらえて首相の鳩山は退陣すべきだとわたしは思っている。それもなるべく早い時期が好ましい。けっして麻生の愚を繰り返してはならない。鳩山総理では、民主党は次の参議院選挙をとても戦えないからである。
好むと好まざるとに関わりなく、これからそういう民意が形成されてゆく。
鳩山首相が退陣に追い込まれてゆく原因として次の5点を挙げることができる。


●鳩山首相には一流の政治家としての資質もなければ能力にも欠けている。あまりにも選挙中にいったことと、政権を獲得した後にいうことが違いすぎる。国民は次第に失笑とともに鳩山を見下すようになっている。先に行くほどこの政権は国民の信頼を失っていく。

●鳩山政権というのは、「国民目線」の政治とはまったく異なったメディア政権である。ひとつ例を挙げると、マニフェストなど守る必要がない、と御用メディアに報道させる。空気を窺っていて、どうやら強い反対が出そうにないと判断すると、マニフェストを破っていく。事業仕分けもこの手法だったし、沖縄の基地問題も環境税や扶養手当の廃止もこの手法である。この手法で自民党は大敗北を喫したのだが、民主党も同じ道を歩き始めてしまった。

●鳩山には、現在の困難な国民の生活がわかっていない。経済の舵取りをする内閣の要職に新自由主義者がいて、国民が塗炭の苦しみを味わっているときに、財務省と一緒になって財政規律主義、縮小主義、増税主義で押し通そうとしている。デフレ下で歳出削減と「財政健全化」を図って結果的に自民党を下野させたのは財務省である。その同じ過ちを民主党は繰り返し始めた。
藤井財務大臣は一度引退を決意した男である。もはや弱者への思いやりもなければ参議院選挙への政治的配慮もないように思われる。完全に財務省官僚に取り込まれており、傲慢で、かつ暢気である。
この内閣がやっているのは、基本的に国民の苦境を知らない、知ろうともしない、まだ戦勝気分に酔った勝ち組の政治だといっていい。

●沖縄米軍基地問題は、鳩山の致命傷になる。前政権が13年もかかって出した結論を変えるのに、オバマに向かって、なるべく迅速に、それも2、3ヶ月でやるから、トラスト・ミー(わたしを信じて)というのは、見通しの甘さといって済まされる問題ではない。まったく素人以下の政治感覚である。移転先を変えるのなら、少なくとも前政権と同じ時間をかけた、タフな交渉が必要になるからだ。
国民が警戒しなければならないのは、またぞろアメリカに巨額の金(わたしたちの血税である)を差し出して、もともと自分たちの見通しの悪さから派生した問題の「解決」を図る手法である。アメリカはすでにその辺りを見透かしていると思われる。

●5点目にはかれの政治資金虚偽報告問題がある。鳩山は検察の捜査結果を待つ必要などはない。自分の金の出入は自分で調べて、国民に向かってきちんと説明すべきなのだ。検察官僚がどの辺まで調べたか、その落としどころを見たうえで説明しようとするのは、国民への誠意のない手法だ。


鳩山内閣というのは非常にきわどい、見てくれだけがいいだけの内閣、選挙公約をことごとく裏切った政権として歴史に総括される危険性を露呈してきた。

今のところ、晴れ着に「友愛政治」や「アメリカとの対等外交」、「東アジア共同体」、「記者クラブの開放」、「脱官僚依存」(「政治主導」)などを着込んでいる。
しかし、「アメリカとの対等外交」は、ただいってみただけ、という感じが徐々に国民の間に浸透しつつある。むしろその逆を岡田外務大臣や北澤防衛大臣らは露骨に実施しつつある。それにしてもなぜこの男たちは総理とは異なる見解を、総理に直接話さずにまずメディアに向かって喋るのだろう。とりわけ北澤という男がもっとも民主党への国民の不安をかき立てている。この男がテレビに出てきて喋り始めるたびに、数万票の民主党支持票が減っていると思った方がいい。岡田も、沖縄へ行って、自分たちは困っている、と泣き言をいうのは止めるがよい。基地の移転は誰が頼んだのでもない。自分たちが勝手にマニフェストに掲げ、日本国民の期待を煽ったのではないか。いまさら何を泣きついているのだ。
鳩山の「友愛政治」や「東アジア共同体」などはもともと成果が問われることもない抽象的・漠然とした概念らしい。「記者クラブの開放」も、ただいってみただけで、やるつもりはなかったらしい。「脱官僚依存」(「政治主導」)にいたってはその真逆の官僚(財務省)主導の正体を、事業仕分けで露呈してしまった。

つまり鳩山内閣は美しい言葉の真逆のことを実行した内閣として歴史に残るかもしれない。選挙前に語った言葉とは相当に違ったことを、子供だましのような手口で実行するその手法が、次第に明確な輪郭をとり始めている。国会議員の削減など、ただの選挙目当ての金色のネクタイだったのだろう。鳩山にこんな荒療治ができるわけがない。そういった認識が国民の間に次第に深まってきている。

繰り返すが、多くの自民党の総理と同様に鳩山も総理不適格である。民主党のため、そして日本のために、まだ一定の支持率があるうちに退陣すべきである。わたしは民主党には、自民党と比較して遙かに可能性があると見ているので、そうして欲しいのである。鳩山には、後になればなるほど麻生と同じ自爆の選択肢しかなくなる。


2 小泉・竹中構造改革路線との決別の嘘

11月9日に、事業仕分けの手法を産み出した「構想日本」の加藤秀樹は、記者会見で次のように語った。

「議会が行政に関する審議、チェック機能を十分果たしていたら、事業仕分けという形での勝手なおせっかいは、本当はいらなかった。現状では議会が十分に機能していない」

つまり、事業仕分けの本家本元の加藤によれば、事業仕分けは政治家の怠慢の産物なのだ。その証拠に、事業仕分けには、官僚と民間人がズラッと並んでいる。
しかも事業仕分けの対象に選ばれた事業の8割は財務省が作ったものだった。したがって、対象事業からはあらかじめ財務省関連の事業が注意深く省かれて、極端に少なくしてある。つまり政治主導ではなく、官僚主導、それも財務省主計局主導なのだ。

ところで、加藤もメディアも触れていないが、民主党が鳴り物入りの政治ショーとして始めた事業仕分けには、弱肉強食の経済政策を推進し、国民を塗炭の苦しみに追い込んだ小泉インチキ改革の、新自由主義者が集結していた。これはいったいどうしたことだろう。

経済財政諮問会議の元メンバーや、自公政権下の税制調査会会長、小泉内閣末期の2005年に、内閣府政策統括官に起用された日本総合研究所の高橋進、そして小泉内閣時代には「隠れ経済政策立案者」と噂されたアメリカのモルガン・スタンレー証券のロバート・フェルドマンなどが入っていた。

事業仕分けに新自由主義者が集結しているということに、当然、新自由主義者の多いメディアはほとんど口をつぐんでいる。そして仕分けの時間が短いとか手法が乱暴であるとか、二義的なことに批判を集中して、ことの真相を隠蔽している。事業仕分けの正体は財務省主計局の「聖域なき構造改革」なのだ。

小泉インチキ改革を批判した選挙中の言動と180度の転換である。
大勝させてもらった国民への、まことにあっけらかんとした裏切りである。
メール問題でもそうだったが、この政党の一部の議員はほんとうによく嘘を吐く。さらに悪いのは、嘘を指摘されると屁理屈をこねて強弁するということだ。要はお坊ちゃん、お嬢ちゃんの多い政党だということなのだろう。

11月24日から再開された政府の行政刷新会議の事業仕分けで、離島への船舶航路を維持するための「離島航路補助(平成22年度概算要求48億円)」について、モルガン・スタンレー証券のロバート・フェルドマンは、住民の高齢化を指摘して「離島は、“海の老人ホーム”になっているのではないか」と口走った。
何が「国民目線」であり、「友愛政治」であろうか。アメリカの強欲な、効率一辺倒の新自由主義が破綻し、世界中に不幸をまき散らしたことなど忘れてしまっているらしい。日本の離島政策にまで不幸をまき散らすな、と怒った国民は多かったと思う。
この予算を所管する国土交通省は「若者も離島に移り住んでいる。不便な場所の住人に手を差し伸べるのが国の政策だ」と反論した。当然である。政治が費用対効果だけで成り立つものなら、民間の経営者に政治をやらせたらいいのだ。

すっかり事業仕分けの寵児になった民主党参議院議員村田蓮舫(むらた れんほう)などは、スーパーコンピューター関連の予算について、「世界一になってどんな意味があるのか。2位じゃいけないのか」と外国が涙を流して喜ぶようなことを口走った。スーパーコンピューターを世界一にすることの意義は、まずこの者たちの大好きな費用対効果のために必要なのだ。後にその不見識を批判されると、あれはいかに大切であるかを官僚から引き出すためにいった、と開き直る始末である。ほんとうにスーパーコンピューターの大切さをわかっていたのなら、結論として出した「予算計上見送りに近い縮減」という判定に説明がつかないだろう。うまく事務方が説明しなかったので、縮減にしてやりました、というのなら、それは大人のすることではない。まして政治家のすることではない。ああいえば、こういう、ほんとうに小癪で、小生意気な女である。

事業仕分けというパフォーマンスは二度とやってはいけない。軽薄に真似をする地方議会が必ず出てくるからだ。
いや、もはや悪影響の修正はきかないにちがいない。今後、地方に多数の事業仕分けを採用する議会が排出してくるだろう。そして、失政の後始末を、民間の有識者や一般の国民にやらせ始める。地方の政治家たちも民主党の真似をして、あらかじめ自分たちに都合のいい結論を出してくれそうな効率一辺倒の新自由主義者を選定しておき、出した結論を尊重するなどと称し、弱者切り捨ての、費用対効果一辺倒の政策を実行するであろう。

そういった意味で、民主党の今回のパフォーマンスは万死に値するほどの、取り返しのつかない愚行であった。明確な国家像を先に描かないから、国家ビジョンなき予算の効率化、小泉時代と同じ無駄の排除という小手先の費用対効果万能主義、効率主義、小さな政府主義が先にきてしまったのである。小泉のブレーンだった知の商人たちや、踊ったメディアが、今度は財務省の掌で踊って、声を揃えて事業仕分けを称賛するのはその間の事情を物語っている。

数字やメディアに向けて政治をやるのは止めるがよい。数字はメディアが作っている。そして作られた数字にそった政治で大敗北を喫したのが小泉政治であり、自民党だった。

そういった意味では、国家戦略室(局)の出遅れが致命的になってしまった。国家戦略室(局)の明確な国家戦略が先にあって、しかる後にそれを実行すべき予算の編成作業がくるべきなのだが、それが逆になってしまい、政治放棄の費用対効果、効率主義に陥ってしまった。

現代の政治にはスピードが求められる。政権交代が起きたときは、走り出す最初の一歩が重要なのだ。いまさら国家戦略局を立ち上げても遅すぎる。とりかえしのつかない事態がいくつも決められ、日本全国に悪影響を与えてしまった。



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2009年10月25日

小沢一郎へのメディアテロ(6−1)5-5再民主党 記者会見オープンの公約を反故に 神保哲生 x 上杉隆

小沢一郎へのメディアテロ(6−1)



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Author: fotosintesi117 Keywords: 神保哲生 上杉隆 記者クラブ 記者会見 鳩山由紀夫 小沢一郎 民主党 Added: October 2, 2009



小沢一郎へのメディアテロ(6−1)



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■ 目次

◆ 2大政党時代は政界再編で実現しよう
◆ 民主党への、マニフェスト破り進言の狙い
(以上は今回掲載)
◆ メディアの変革(次回)
◆ 小沢一郎はなぜ狙われたか(次回)


◆ 2大政党時代は政界再編で実現しよう

いささか、感慨めいたものを枕にふらせてもらえば、衆議院の民主党圧勝のあと、わたしは虚脱感のようなものに襲われた。それは、書く情熱が引き潮のように引いて行く、不思議な気持ちだった。もうこれでいいだろう、という内面の呟きと、早く小説に帰ろう、という声が一緒にきて、長い間隔が空いてしまった。メディア論は今後も続けるつもりだが、そのなかの「小沢一郎へのメディアテロ」は次回をもって最終回とする。

さすがに、もういいだろう、という声は消え、少しずつ戦闘心が蘇ってきたが、同時に、小説に帰ろうという声は日ごとに強くなっている。メディア論の間隔は従来より空いていくと思われる。

さて、我が国では、世界でも例がないほどの長期にわたる独裁政権が続いてきた。それはわたしたち選んできた国民にも大いに責任のあることである。
資本主義国での長期独裁政権として、自民党は歴史に残るにちがいない。しかし絶対的権力は絶対的に腐敗する、といわれるように、自民党の最後は腐敗に満ち、政党の体をなさないものであった。賞味期限がとっくにすぎてからも延命できたのは、公明党と、大手新聞、大手テレビなどの「記者クラブメディア」が支えたからである。

自民党の再生はどうやらなさそうである。
それは2点からいえる。
ひとつは自民党の現状を見て再生が不可能だということだ。総裁選に向けて、もっともらしい情熱を語ったのは河野太郎だけだったが、それが今回の選挙で自民党を壊滅に導いた小泉純一郎の背後霊を背負っているところに、国民の生活の苦しさから乖離したままの、自民党の絶望的な深刻さが露出している。小泉「改革」の正体は「改革」利権だったのであり、その政策は国益なき売国的な性格のものだった。自民党は小泉「改革」で敗北したのに、まだ「改革」で痛めつけられた国民の怒りがわかっていないとしかいいようがない。

自民党の再生がないという2点めの意味は、現在の鳩山政権の生き生きとした政治主導の政治(脱官僚依存)、国家戦略室(局)や行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)の設置、事業仕分けの方法とその公開、国会改革や(一部ではすでに実現された)排他的情報談合組織「記者クラブ」による情報独占の停止を見ても、もはや能力において自民党は振り切られてしまったことは自明だからである。

万が一、自民党がふたたび政権を奪い返すことがあっても、またぞろ官僚任せ、族議員の跳梁、対米従属の政治が、世襲議員によって復活するだけのことだ。

2大政党時代の、もう一方の旗頭は、自民党ではなく、政界再編で誕生させなければならない。小沢一郎はそう動くにちがいない。


◆ 民主党への、マニフェスト破り進言の狙い

26日から臨時国会が開会する。
ところで、政権交代が現実化してから、大手新聞、大手テレビなどの「記者クラブメディア」はもちろん、御用評論家も、御用商人たちも、こぞって新しい主人に仕えるために豹変し始めた。田原総一朗もみのもんた(御法川 法男 みのりかわ のりお)も、悪相の馬鹿面は変わらないものの、商売繁盛のためにどうやら切り替えたようだ。メディアには、以前から自分たちは民主党を支援していた、と公言する司会者・番組さえ出ている。

わたしには、こういうことになるとわかっていたが、これが日本の大手新聞、大手テレビなどの「記者クラブメディア」の正体であり、メディアに使われていたオピニオンリーダーといわれる者たち、そして御用評論家、御用商人たちの正体である。このことを、わたしたちはしっかりと学ぶ必要がある。

先の大戦でも同じような現象が見られたのである。戦前戦中は鬼畜米英と批判し、敗戦を期にウエルカムアメリカに瞬時に転換した日本の大手マスコミの恥ずべき過去は、図書館に消せぬ過去として残っている。その体質は現在にも引き継がれている。

国家にとっても、民族にとっても、最大の惨禍は戦争である。ときの政権が外交を手放して戦争に暴走するとき、それを止めうるのは、今のところ第4権力としてのメディアしかありえない。このメディアが政治権力と癒着し、その広報機関として機能する恐ろしさが先の大戦時の日本だった。わたしが民主党に期待するのは、メディアと癒着しないうちに、このメディアの改革、とりわけ「記者クラブ」の開放を成し遂げることである。

自分たちが豹変したばかりではない。今まで民主党や小沢一郎へバッシングを繰り返していた大手新聞、大手テレビなどの「記者クラブメディア」は、民主党も同じ穴の狢にするために、さかんに豹変を促している。

かれらはあからさまにマニフェストは守る必要がないと、変更を促し始めた。
国民は民主党のマニフェストをすべて読んで投票したのではない、だから公約を破ってもかまわない、とりわけ財源がないのなら、国民に説明して、マニフェストの先送り、あるいは一部の縮小をしてもいいのではないかという次元のきわめて低い話である。自民党にたいしては赤字国債の発行を殆ど無批判に受け入れていたのに、民主党に対しては禁じるどころか、自民党政権が残した国の借金の総額を突きつけて、これ以上の赤字国債発行を悪として断じるのである。数字の多寡ではなく、内容が問題なのに、それを自分の頭で考え、他のメディアとは異なった批評をすることもなく、相変わらずのメディアスクラムである。

ずいぶんと国民を馬鹿にした論である。
たしかに自民党の悪政に痛めつけられて民主党に投票した側面はあろう。しかし国民は自民党以外ならどの政党でもよいとして、たとえば共産党に雪崩を打ったような投票をしたのではない。民主党のマニフェストをしっかりと読み、民主党の政策(公約)に自分の生活の救済を託したのである。国民の生活の窮状が実感できない分だけ、95兆円といった概算要求の数字にこだわり、子供にツケを回すなといったきれい事で片づけるのだ。

ここに10人の人間がいて、それぞれバラバラに民主党の<10>の公約に賛同して投票したとしよう。もし民主党が<1>の公約を破れば、<1>に賛同して投票した人物Aが怒る。別言すれば、他のBからJまでの9人の人物は怒らない。民主党は国民Aを裏切ったにすぎないというわけだ。これは形式論理的な屁理屈である。

<1>の公約を民主党が破るということは、1つぐらい破ってもどういうことはないという数の問題ではない。民主党は自民党と同じ体質の政治党派であり、そのマニフェストは、選挙期間だけの撒き餌だったという、政治姿勢や理念の問題、さらにいえば政治と言葉の問題である。

マニフェストを実行できない政党と、忠実に実行していく政党を見比べて、国民は次の選挙に赴く。そういうレベルにすでに国民の政治観は引き上げられた。これは民主党の大きな功績だといっていい。

民主党は騙されてはならない。
民主党に公約の変更を促す人びとは、2種類に分けられる。
ひとつは、裏では(あるいは表でホームページやブログで公然と)自民党の復活を待望している人びとである。かれらは一方で自民党の政権復帰を待望しながら、他方で民主党にマニフェストを破れとそそのかしているのだ。しかもマニフェストを破れと進言している政策と自民党の政策とが同じものだから、その狙いは明確なのだ。

ふたつ目の側面は、マニフェスト破りの進言が、メディアや野党の政治家といった、総じて経済の勝ち組からなされているということだ。つまり生活にはまったく困っていない、国民の生活の窮状が実感としてはわからない者たちが、理屈として喋っているだけなのだ。このことに民主党は最大限の注意を払っておかねばならない。政治家の方が、選挙を通じて国民の生の姿に触れているだけ、メディアや官僚よりも現実を知っているのだ。この認識だけはけっして手放してはならない。

もし民主党が、メディア改革、米軍普天間飛行場の移設、インド洋給油の打ち切り、子ども手当、高校授業料無償化、高速道路無料化、農家個別所得補償などのマニフェストを次々に破り、古い現実政治に戻れば、それは選挙のときだけ毛針をたれて、釣った魚には何も与えないという、古い政治に戻ったことを意味する。政権交代の最良のものが失われる。

政治に、言葉(マニフェスト)への信頼を託した大きなものが失われる。
国民は怒り、明確に次の選挙結果に反映されるであろう。そのとき、民主党にマニフェスト破りを進言した者たちは、無節操にも自分が進言した当のもの、マニフェスト破りに民主党の敗因を求めるにちがいない。我が国メディアのレベルの低さ、厚顔無恥の単純さは、すでに露骨に顔を出している。一方でマニフェストを破れ、と進言しながら、日本郵政の次期社長人事では「脱官僚」のマニフェストは嘘ではないか、と声高に叫んでいるのである。


今日も最後まで読んでくれてありがとうございます。
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そう。(勝手に)ありがとうございます。(笑)
また、面白い文章を書きますね。
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posted by 扇風機 at 05:03| Comment(0) | TrackBack(2) | 状況のなかのメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする